日本の常任理事国入りについて思う

 最近新聞などで日本の常任理事国入りについて取り上げれているをのを見かける。それらの記事から各国の考え方が、あからさまに表れてくることが面白い。
 常任理事国入りすることで、国連の体制が続く限り世界に影響を与える、国際的な地位がえられる。例えるなら発言力のある永世名人みたいなものだ。当然既得権のある国や常任理事国入りが難しい国は、対立する国が入るのを阻むことになる。ちょうど日本に対して中国や韓国がこれにあたる。そのため何かしらの理由をつけ、強硬に反対することになる。韓国の反対はそれほど脅威ではないが、常任理事国として既得権のある中国の反対がある時点で、日本の常任理事国入りは難しい。反対するのが中国のみという孤立した状況にならなければ、賛成はしないだろう。
 また先週アメリカが、「常任国に日本+1国と非常任国に2〜3国を追加する」案を発表したことが新聞記事に載っていた。これは実質的にアメリカが理事国の拡大に乗り気でないことを示している。アメリカ案の発表前に、日本,ドイツ,インド,ブラジルの4カ国が、共同して常任国入りを目指すことで動き出していた。当然ドイツ,インド,ブラジルはアメリカ案に反対するだろうし、名指しされている日本も賛成したくても反対せざるをえない。また日本が賛成しても残りの3カ国は反対するため話はまとまらない。万が一まとまったとしても、日本ならアメリカの影響下に置けるので、アメリカの影響が強い国が安保理で3カ国占め、アメリカの発言力をより確かにすることになる。また単独で日本が拒否権を行使するとは考えられないため無害である。それに表面上は安保理改革に積極的なイメージを与えられる。この案を発表する事は極めてアメリカにとりリスクが少ない。この記事を見たときさすがアメリカ!したたかだ…と唸ってしまった。
 恐らく今回が日本の常任理事国入りの可能性が最も高いチャンスだろう。バブル崩壊失われた10年を経て、アメリカの対抗勢力とは成り得なかったとはいえ、未だ日本がアメリカに続く世界2位の経済力を持っている。国力の面で日本は現状では申し分ないし、4カ国の中でもトップであると思う。しかしイギリスやフランスやドイツなど欧州の有力国が経験したように、既に所得水準も高く人口の増加も見込めないため国力は頭打ちになっているので、今後数十年の間にインドやブラジルなどの地域大国の成長により、国力は日本単独では現状維持でも世界的に見て相対的にじりじりと低下すると考えられる。(相対的に日本の国力が衰退してゆく時代に生きることは少々悲しいが…。)そうなってしまってからでは日本の常任理事国入りは国として厳しくなる。日本は昔国連のお金のかなりを出してたんだぞって言っても相手にされない。
 日本の常任理事国入りに反対する国があるのであまり希望をもってはいないが、なんとかして日本の国力が衰退する前に常任国入りを果たして欲しい。そしてもっとしたたかさを持って欲しい。

今日の買い物:飯&タバコ1000円なり