気になる記事

 前にJFEスチールが中国で大規模な製鉄所を建設する計画があるというのを見かけたことがあった。合弁企業であるがJFEが主導権を確保するという内容だったと記憶していたのだが、今日の日経の記事にJFEが建設の判断を先送りせざるをえない状況になっているとのことだった。中国政府が鉄鋼分野での外資規制を7月に導入したとの話だ。このままではJFEは主導権を確保できないことになる。産経の記事だがJFEが建設予定している広州に中国最大の製鉄会社の上海宝山鉄鋼が製鉄所建設を行うとの話で、広州には日系の自動車会社が工場があり自動車用鋼板が必要であるとのことで、自国資本の鉄鋼メーカを育成したい中国政府の意向もあるのだろう。
 日本を代表する2大鉄鋼メーカの新日鉄JFEの中国市場を狙うアプローチの仕方の違いが面白い。新日鉄はかつて上海宝山鉄鋼の立ち上げに技術面で深くかかわっており提携関係を持っている。ただし中国における合弁企業の主導権は上海宝山製鉄が持っている。
 今回の一件に関して中国での経験の長い新日鉄のほうが中国政府の出方を的確に予想した思う。鉄鋼市場は安定供給という意味でカルテル的な要素があり、世界の鉄鋼メーカとの提携関係という点でアルセロールポスコと提携関係を持つ新日鉄に分がある。しかし近年の鉄鋼再編のなかで規模の小さい製鉄所を吸収し規模を拡大してきたミタルスチールがトップに踊り出てきた事例もある。中国市場では出鼻をくじかれた感じのJFEだが、中国市場に限らずどのような戦略をとり食い込んで行くのかJFEの今後の動向に注目したい。

昨日の買い物:電池100円+飯など300円なり。