靖国神社

 夜中に靖国神社が占領下の中でどうやって生き残ったかについてNHKのドキュメンタリがやっていた。GHQも当初は潰すつもりで動いていたということだったが、GHQ自体の指令である「信教の自由」に抵触するのではということで先延ばしされてた。それが共産主義との対立で世界情勢が変わってきてしまったことで靖国を潰す事での日本の世論の反発を恐れ存続することに至った。占領中は昭和天皇の参拝は行われず、日本の独立回復後に昭和天皇の参拝は再開された。しかしそれもA級戦犯が合祀されたことで行われなくなったが、靖国の祭礼には勅使を遣わしている。また戦前に靖国神社に祀られるのは戦死者に限られていたが、太平洋戦争では東条元首相の意向で自決したものも含められたという。
 靖国について思うのだが、戦犯を合祀してしまったことが、問題をややこしくしているように思う(東京裁判等の正当性などについては抜きにして)。それを除けばどこの国からも文句言われる筋合いはない。ただ戦死者を祭る祀り方が、神道に限られるのは今の時代には合わなくなっているが。しかし靖国神社が国の手から離れてしまった今では、公権力で分祀することもできず、神社側が行うとも思えない。
 戦前には靖国神社は陸海軍管轄であったが、これをもって軍国主義を賛美したものとは思えない。どこの国でも国の命令で戦いで死んだものを、讃え祀るのは行われている。アメリカだってアーリントン墓地を軍の管轄であり、戦死してアーリントンに葬られるのは名誉なこととされている。
 靖国問題分祀するかしないかの結論しかないだろう。分祀するのは国の力が及ばないため無理な状況である。そうすると現状のまま合祀した状態が続けば、外交問題とされ続ける。それを回避するためには別のものを作るというのがある。そうなると靖国の求心力は低下するし、靖国にはすっきりしない気持ちもあるが参拝している人々(結構多いのではないかと思う)が、一気に靖国から離れてしまうだろう。新たな施設は靖国側が強硬に反対するだろうし、実現は難しいのではないか。そうなると現状維持だろうが、戦死者を天皇陛下や首相などが公式に参拝できない状況は死者が浮かばれないだろう。また戦犯で靖国に祀られている人たちも、そのせいで日本が批判を浴びる上に、弱味を握られているような状況を決して喜ばないだろう。戦争賛美する神社だとしてみられることが多い靖国神社も路線を今のように右の端っこではなく真ん中ちょい右ぐらいにまでソフトになれば広く参拝されるようになるのではないか?戦死者を祭ることは決して間違ったことではないのだから。戦後戦争を放棄した日本では戦死というのはほぼ起こりえないことであるし、このままでは靖国の求心力が低下してしまうだろう。戦争で亡くなったものを祀るというスタンスから警察官や消防士などで殉職したものを含めるとかしないと「戦争=悪」のイメージが強いなかでこれから先も生き残って広く参拝され続けるとは思えない。靖国神社も変化していかなければならないと思う。
 戦犯を裁いた東京裁判等にについても勝者の見せしめだという見方があるが、戦争に負けたからには文句言えないだろう。それに明治以降の日本が積み上げてきたものをぶち壊した上に、未来永劫浮かばれない国になっていたかもしれない責任は当時の戦争指導者にあるのではないかと思う。

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