半導体について思う

 テレビで再起への20年という番組で東芝半導体事業についてやっていた。80年代に半導体経営資源を集中しDRAMで世界のトップに立った東芝がどうして凋落してしまったのかが1時間の番組の中に詰め込まれていた。バブル崩壊による効率化の中で研究投資の圧縮や設備投資の削減や人員削減を余儀なくされた。研究投資の圧縮は先を見据えた研究を行えなくなることや技術へ時代がついてこれていないものへの研究(今回の場合ではフラッシュメモリ)がを押さえ込まれることになった。このフラッシュメモリに目をつけていたのがサムソンで資金提供の代わりに東芝との提携に成功する。今ではサムソンがフラッシュメモリシェアのトップを握っている。また設備投資の削減はこの15年近くがコンピュータの拡大の時期に重なったことで、果敢に投資を行ったサムソンはシェアトップを獲得し、東芝ではDRAMへの投資抑制が最後にはDRAMからの撤退を招いた。また人員削減などは技術者の引き抜きによる技術の流出を招いた。サムソンはとにかく貪欲に技術を吸収していき将来のキーテクノロジーの確保を行ったことや先を見据えた投資を行う決断を行ったことがあげられる。かつて日本企業も同じようなことをしてアメリカから睨まれた日米半導体摩擦が起きたことがあった。だからといってアメリカがサムソンを睨むかといえばそうとはいえないだろう。日米半導体摩擦ではアメリカでは日本製メモリがアメリカのメーカと競合していたことがあるが、今ではアメリカの半導体メーカとサムソンが競合する状況にない。逆にシステムLSIを目指す日本のほうが危険が高いのではないかと思う。DRAMで日本がアメリカにやったことをフラッシュメモリでは韓国に日本がやられたような感じだと思う。競合企業間ではいくら画期的技術や特許であっても周辺技術や特許を押さえられたら十分に行使できなくなる。技術は日本にあった、しかしその価値を判断した戦略を取れなかったことが敗因だと思う。
 前にサムソンがデジカメとプリンタでシェア拡大を目指すというのを見かけたことがあるが、キヤノンを意識してるんだと思うが鋭いことをついてきている。どちらも日本企業が強い分野でありアメリカはそれほど力を持っていない。そうなるとサムソンVS日本企業となってくる。キヤノンの倍の規模がありトヨタ並みの利益を稼ぎ出している企業だから侮れない。キヤノンをはじめとする日本企業にはデジカメやプリンタの先端技術があると思うが、国や企業で技術を活かす戦略がとられなければ半導体メモリの事例のようにもなりかねないと思う。ネットを見てるとアジアの企業の技術力は日本には及ばないという意識があるけどこれこそ根幹の問題だと思う。技術力があれば売れるわけではなく、ニーズにあった製品を供給できた時に売れるわけだし。

今日の買い物:たばこ300円+遊び1400円+交通費300円+飲み3500円なり。